IC・FPD産業、2005年は成長ダウン
台湾・工研院が予測
2005年のIC、FPD、無線通信産業は、2004年比成長ダウンは避けられない−台湾・工業技術研究院産業経済・資訊服務中心(IEK)はこのほど、いわゆる「双兆産業」の業況の伸び悩みを軸とする2005年産業見通しを発表した。
IEKによれば、2004年の台湾のIC、FPD(フラットパネル・ディスプレイ)、ワイヤレス通信産業は、生産額ベースで前年比それぞれ36.1%、80%、29%と大きく成長した。またマルチメディア産業も18.9%伸びたという。
しかし2005年は、世界経済全体の伸び悩み、台湾経済全体の成長率の低下、中国の追い上げなどの理由から成長率の低下は避けられず、「再び高成長をうかがう踊り場の年」になるとしている。
具体的には、2005年のIC産業の生産額は1兆2793億元で前年比14.8%増、FPD産業は1兆171億元で同33.6%、ワイヤレス通信産業は2827億元で同10%の伸びと、基本的には生産額拡大が続くが、成長率としてはこれまでにない低い水準にとどまる。
それぞれの主な成長阻害要因は、ICがIC設計分野などの在庫調整の継続やDRAM需要供給バランスの崩れなど、FPDは中国での二つの第5世代工場の操業開始、ワイヤレス通信では海外OEM発注大手の高級製品内製化の進行−などがあげられている。
2005年IC生産額の成長率は15%に
IEKの統計によると、2004年第3四半期の台湾IC産業は一応の水準で推移したが、成長率は第1四半期と第2四半期に比べて落ち込んだ。
台湾IC産業の2004年第3四半期の生産額は2965億元、昨年同期より31.0%成長した。IEK IC産業及び応用部研究経理の陳梧桐氏は、景気回復の緩慢やウエハOEM/ODM生産の稼働率ダウンとストレージ値下がりの影響などで、2004年第4四半期は予測通りにはいかず、第3四半期比1.7%成長にとどまったと語った。
2004年第4四半期の総生産額は3017億元、前年同期比28.4%成長したが、全体としての経済情勢は、原油価格の高騰や米ドル値下がり及び国際情勢などの不確定要素で、景気は一層懸念されるとIEKは予想している。
2004年第2四半期末からIC産業景気回復の鈍さを受けて下流業者の在庫調整とストレージ値下がりが進み、一部の業者に影響を与えた。2005年の展望は、国際的な景気回復力が衰えることから、IEKでは2005年の台湾のIC産業生産額の年成長率は2004年の36.1%から14.8%に落ちると予測する。しかし、生産額は1兆2793億元に上昇すると試算される。
事業者別の動きは
ICデザイン業界では、PCチップがパソコン・シーズンに先だって下流マザーボード業者が事前に材料を用意したため、2004年第4四半期の売上げは前期比10%以上成長したという。LCDドライブ・チップはLCDが単価が下がったため、関連産業の売上げを圧縮した。ストレージ業者もその値下がりのプレッシャーで、売上げは2005年第1四半期まで落ち続けるという。
一方、2004年第4四半期の台湾ICデザイン業の生産額は701億元に達し、前年同期比28.9%成長した。2005年ICデザイン業の生産額は3020億元に達し、成長率は16.2%が見込まれる。IC製造業では、ウエハ受託生産が客の在庫調整が続いていることから受注量が減少している。台湾の「ウエハ2大手」といわれるUMC(聯華電子)、TSMC(台湾積体電路)のケイパビリティ利用率は2004年第4四半期は約8割に落ち込んだと見られる。
DRAM単価の値下がりは業者の売上げにショックをもたらした。台湾IC製造業の2004年第4四半期の生産額は2003年同期より26.0%成長し、1692億元に達した模様。その中でウエハ受託生産業は、操業率が落ちた影響で売上高は1026億元、年成長率は16.4%となった。
また、2005年の台湾IC製造業は生産額が14.9%成長して7322億元に、ウエハ受託生産業の生産額は4631億元で、年成長率は15.0%と予想される。
さらに台湾パッケージング業は、国際的に外国発注がトレンドになったことから、コミュニケーションIC、グラフィックICのニーズも強く、ハイレベル・パッケージング生産能力はタイトになったこともあり、DRAM生産能力が上昇、DRAMやFlashについてのテスティングのニーズも増加し、テスティング業界が活況を見せてきた。
2004年第4四半期の台湾パッケージング&テスティング業界の生産額は、それぞれ456億元、168億元になると予測される。2003年同期比36.0%、30.3%の成長で、IC産業では成長が最も高い産業だった。2005の年パッケージング、テスティングの生産額は1781億元と670億元、成長率は11.7%、16.6%が見込まれる。
2005年のLCD TVニーズ、大型TFTパネル産業成長のカギに
2004年前半期、世界のFPD産業は情報関連商品のニーズ増加から大型パネル業者への発注を活発化し、台湾の各メーカーも大きく潤った。その他にもOAとコミュニケーション製品のカラフル化で、中小型のディスプレー・パネル業者の生産額も大幅に上がった。ところが薄型ディスプレイ・テレビの世界のニーズは2004年初の予測に反し、さらに部品欠品状況が次第に深刻化するため、後半期では大型TFTパネルの値段は急速に落ち込んだ。
一方、中小型ディスプレイ・パネル業者は下流製品のニーズ多様化で影響を受ないまま穏やかに成長した。大型TFTパネル産業の劇的な変化から、パネル用部品(カラー・フィルター、ドライブIC、偏光板など)キー・コンポーネントも、2004年後半にはパネル業者からの値下げ圧力が徐々に増加したと見られる。
産業全体からみると、2004年第3四半期はFPD生産額が約1860億元、前期比9.8%衰えた。そのなかでパネル生産額は1309億元と14.1%下落した。主体の大型TFTの第3四半期生産額は1037億元、前期より18.2%減った。中小型パネル産業では、AVニーズが増大したため2004年第3四半期生産額は114億元、前期より4.4%成長した。
TN/STN産業については、C-STN携帯電話パネルのニーズ急増の影響で総生産額は増えたが、増加幅は減速し第3四半期の生産額は134億元、成長率6.3%となった。有機LEDは中国の携帯電話在庫増加の影響を受け、第3四半期の売上額は9億元と13.3%減少した。
PDPパネルの第3四半期生産は15億元に成長した。キー・コンポーネントでは、2004年第3四半期の生産額は551億元と前期より2.8%成長したが、成長ぶりは緩慢だった。これは大型TFTパネルのニーズ減少の影響を受けたからである。カラー・フィルターの生産額は142億元。成長幅は8.1%。ドライブICでは2004年第3四半期の生産額は109億元、第2四半期より6.6%衰えた。バックライトと偏光板も市場ニーズが緩るみ、生産額は横ばいに推移して117億元、78億元だった。
2005年のパネル産業の総生産額は7116億元になり、2004年より30%成長すると見ている。大型TFTパネルの価格は2004年半ばに急速に落ちたが、生産能力が増えたことで売上げの成長は期待され、年成長率で31%とされている。ただし基本的には、2005年は過剰生産能力状況は変わらず、2005年のLCD
TVのニーズが予想以上になるかどうかが、大型TFTパネル業者の観察ポイントとなる。
2005年には台湾のいくつかのTFT生産ラインも積極的に中小型TFT関連製品に進出し、メーカーが大幅な生産能力を実現するうえに台湾メーカーの影響力もますます高まる。そのため2005年の中小型TFT生産額は629億元に達し、年成長率は50%にも達すると予想される。
関連部品業者は、2005年売上げが3055億元、成長幅は42.8%。ところがパネル・メーカーが値下げ要求を叫んでいる状況下では部品関連業者にも値下げプレシャーが高まってくる。関連メーカーは研究開発の強化とコストの引き下げで、単価の低下が利益減を招くことを回避しようとしている。
ワイヤレス通信産業、2005年は製品多様化へ
2004年第3四半期の台湾ワイヤレス通信産業の生産額は621億元となり、前期比10.7%、昨年同期比14.3%成長した。製品別では携帯電話が総生産額の47.3%を占めて首位、無線LAN(WLAN)が2位で19.5%、衛星とマイクロウェーブ伝送設備(GPS、VSATなど)が20.2%、短距離無線通信(Bluetoothなど)が6.0%を占めた。
IEKワイヤレス通信&サービス部研究経理の紀昭吟氏は、2004年の台湾ワイヤレス通信設備成長率は29%に達したが、主力製品では携帯電話と無線LANとも期待が外れたーという。携帯電話の2004年生産量は5675万台で、生産額は1333億元となっている。グローバル市場でのシェアは、2003年の8.8%から8.5%に落ち、業界成長ペースは世界レベルに及ばない。
無線LANは平均単価が24%下がった影響で全世界の生産額が13%落ちたが、台湾の生産額は505.1億元で、2003年と比べるとほぼ横ばいだった。
GPSなどの成長が目立つ
こうした主力製品の成長低下に対し、2004年は全地球測位システム(Global Positioning System; GPS)とブルートゥース(Bluetooth)の新アプリケーション開発が続き、製品別成長率では第2位となった。GPSは世界のカジュアルブームに伴ないコンシューマー携帯式製品とPDAの成長が目立ち、年度生産額は311億元、成長率は30.2%を記録した。
ブルートゥースのグローバル市場が、2003年の6000萬本から1兆15億本になったのに伴ない、製品面では2003年のUSB Dongle、ブルートゥース・イヤホン・マイクからHID、NB、PDAなどまで広がリ、生産額は144億元、前年度比成長率は144%に達した。
2005年の台湾ワイヤレス通信産業の観察ポイントは、多様な製品開発にある。2004年の主力製品の携帯電話と無線LANの総生産額比は、2003年の81%から2004年は72%に落ちた。主力製品の集中度が下がったこと示すもので、台湾のワイヤレス通信産業はさらに多様な製品の開発が求められる。
2004年に大活躍した衛星、マイクロウェーブ伝送設備と短距離無線設備を除き、新技術開発ではUWBやWiMAXなどのブロードバンド技術が、2005年の台湾メーカーにとって市場開拓のポイントとなるだろう。
(Text:胡 廷)
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