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産業レポート  

 

GPS市場に本格化の兆し
台湾市場の年間成長率15%に

 

 GPS(Global Positioning System=位置情報システム)市場が、一般コンシューマーの認知向上や技術改善などによって本格化しつつある。台湾の技術開発機関、ITRI(工業技術研究院)のIEK(経済産業情報センター)によると、世界のGPS関連製品の生産額は2003年の7億1,000万米ドルから2008年には9億3,000万米ドルに達する見通しで、2003−2006年の年平均成長率でも15%と拡大基調が続く。

本来は軍事用

 GPSはもともと米国で軍用に開発され、1980年代に入ってからは一般ユーザーに利用されるようになった。今ではコンパクトなハンドヘルドGPSレシーバーがあれば、GPSナビゲーション・システムとしてハイキング、山登り、スキー、ドライブなどの際にいつでも、どこでも現在地を確認することができる。
 ただGPSの限界あるいは課題といわれているのが、GPSサテライトからの信号の受信。地下や海中、一部室内での信号受信ができないことだ。屋外でもこれまで高層ビルや山などで信号が遮られるというケースがあったが、高性能のアンテナによりほとんどの場合、受信が可能となった。またリムーバブル(着脱式)アンテナ付きレシーバーを使い、最良の場所で受信ができるというオプションもある。

大手企業、GPS チップ設計に投資

 GPSチップの設計で業績を伸ばしている会社がある。そのうちの1社が米国カリフォルニア州サンノゼに本社を置くファブレスのチップ・メーカー、SiRF Technology社だ。
 Silicon Radio Frequency(シリコン無線)を頭文字としたSiRF社は、GPSチップ専門企業で今年4月下旬に上場を果たした。デル、ノキア、インテル、松下、MiC、NTTドコモの関連会社など錚々たる企業が出資している。
 同じくチップ設計企業のQualcomm社は、世界の15社のキャリアと約20社の携帯電話メーカーに技術提供を行なっており、QualcommベースのGPS製品は120機種にも上る。同社はチップの供給だけでなく、GPSのスピードと正確さを向上するためにサーバーソフトも販売している。
 米国では米連邦通信委員会(FCC)のE911 Mandateに対する全加入者の端末対応の実施が2005年末となっている。 E911のもとでは、セルラーのキャリアは位置情報発信機能を搭載して、911のダイヤルで緊急通知要求のあった場合にネットワーク上の電話の95%の位置を関係当局に通知せよ−というもので、これにより、GPSを含む移動体通信における端末普及が加速すると見られる。
 E911を実現するために、キャリア各社は様々な案を実験してきた。その中には、EOTD (Enhanced Observed Time Difference)と呼ばれるGPSや、セルラーの位置確認による一種のGPSによる緊急用技術がある。これらの方式はSprint、Verizon Wireless、Nextel Communicationsが採用している。

コンシューマーのニーズも高揚

 これに対抗する技術としてTDOA (Time Difference of Arrival)がある。これは、セルラーホン・ネットワークのベース・ステーション内で、電話が「ロケーション測定ユニット」に達するまでの所要時間を測り、電話の位置を決めるという方式である。
 この方式をサポートしている企業としてはT-Mobile、Cingular Wireless、Cingularが買収しようとしているAT&Tがあり、これらの会社は昨年EOTDからTDOAに切り替えた。
 しかし、TDOAのような単純なセルラー・システムは、ベース・ステーションの改良が必要となる。GPSがサーバーソフトの改良を必要とするからだ。
一方、コンシューマーのGPSに対する需要も高まっており、企業もこの点に着目している。米国のようなE911などの規制を要求されないものの、Hutchensonの3Gネットワークのように、欧州や東南アジアで進められているものもGPGトラッキングをサポートしている。
 日本と韓国ではNTTドコモ、SK Telecom、KDDIの各社がロケーション・ベースのGPSサービスとコンテンツを提供している。

台湾メーカーの動きも活発化

 一方、台湾におけるGPSメーカーは携帯電話、カーナビ、計測機器向けの端末製品を供給し、主な製品としては航空、宇宙、レクリエーション(ハンドヘルド)、自動車用その他GPSレシーバー、関連製品のGPSマウス、GPS CFカードなどがある(表参照)。
 台湾のGPS産業はバリューチェーンの中に組み込まれているが、GPSチップのキーパーツは輸入に頼っているのが弱点といえる。これが克服できれば、台湾GPS産業は大きな発展を見せるだろう。

表:台湾のGPS製品の用途別内訳

用途分野 比率
携帯電話、PDA 30%
カーナビゲーション 25%
計測関連 18%
地図情報 15%
トラッキング 15%
軍用 7%
航空・宇宙 5%
航海 4.5%

 

 



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